アメリカの投資スタンダード

アメリカでは、常にこうして金融商品と不動産投資商品のあらゆるパフォーマンスが比較され、ライバル関係のなかでお互いに切瑳琢磨を繰り返しているのです。そしてアメリカには、時価総額一四兆円といわれるREITの他にも巨大な証券化マーケットが豊富にそろっています。商業不動産モーゲージ証券(CMBS)の発行額は、昨年一年間だけで四○○億ドル(五兆二○○○億円)を超え、総残高一○○○億ドル(一三兆円)の市場規模にまで発展しました。低格付けの債券ばかりを扱うジャンク債市場も五○○○億ドル(六五兆円)規模にまで急拡大しました。このようにアメリカの投資スタンダードは、すべての資産を時価評価し、時価の流通市場を整備し、常に時価評価の洗い替えを行い、即分配する完全時価取引型といえます。常に時価を採用するがために、時として価格の行き過ぎが生じるのもアメリカのマーケットの特徴です。日本には、グローバルスタンダードといえば即アメリカのスタンダードだと認識している人が多くいますが、果たしてアメリカ流の時価主義が日本の風土に適合するのかどうかは疑問です。いずれにしても、日本が本格的な不動産投資市場をつくろうとするときに避けては通れないのが、マーケットを何の信用で支えるべきなのかという根本的な議論なのです。

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